INSPIRED(インスパイアド)を読んだ件
これはPathee Advent Calendar 2019の6日目の記事です。
Patheeのエンジニア、牧村です。 今回は最近読んだおすすめの本を紹介させて頂こうと思います。
紹介する本は
「INSPIRED(インスパイアド)」
です。
著者について
著者のマーティ・ゲーガンは、ヒューレットパッカード、ネットスケープ、アメリカオンライン、イーベイなどで 製品やサービスの開発に色々な立場で携わってきた後、シリコンバレープロダクトグループ(SVPG)を立ち上げ、 執筆活動、ワークショップなどをやっている方です。
INSPIREDについて
INSPIREDは2015年に発売された後、2019年の11月に大幅に改定されて第2版が作成された本です。
「プロダクト開発、開発チームはこうあるべき!」
が書かれていて、一つのプロダクト開発とそのためのチームづくりの指針としてプロダクトマネージャーの教科書として使える本という印象です。
特に印象に残った点をいくつか
傭兵ではなく伝道師のチームを作ることが大切
製品に関するエバンジェリズムはプロダクトマネージャーの重要な責務とあり、それをやっていくために必要なことがいくつか書かれています。
中でも印象的だったのは、「自分が心からワクワクし、自分の熱意を上手に伝える。すると熱意は本当に伝染する」といった内容で、あたりまえのことですが、大事なエモさだなと。
アウトカムベースのロードマップを作る
ロードマップには解決するべきビジネス上の問題を記述していく。機能を書いても、その機能が課題を解決できないこともある。
スクラムのプロダクトバックログでいうところの、ユーザーストーリーにも通じるお話かなと。
ライバルではなく顧客のことを考える
競合は無視できないが、顧客が離れてしまうのは、競合が原因になるよりも、自分たちが顧客を考えず、大切にしなかったとき。
解決策ではなく問題に恋をする
弊社バリューの「課題に恋い焦がれる」に通じるものがある言葉です。
著書の中でも「どこかで聞いたことのあるけど核心をついている」とありました。
プロダクトデザイナーが不在の時にプロダクトマネージャーが代わりにワイヤーを書くのは良い結果を産まない
もちろんエンジニアが自分たちでデザインを考えるのも良い結果を産まない。 では、プロダクトデザイナーがいないとき、どうするべきか?
なんてことは残念ながら書かれておらず「ちゃんとデザインに投資するべき」という、この本を読んだ中でのベスト・オブ耳が痛い話が書かれていました。
まとめ
これまで、開発チームでの役割として、チームを良くして行くために「こういう振る舞いをして欲しい」という リクエストを周りに断片的にしてしまっていたのですが、この本には、まさに実現したかった状態〜それ以上の 状態はどうなるべきか?ということが体系的に書かれているので、この本をチームの共有知にして、この状態を 目指してやっていきたい、と思いました。
(と思って、この本のチーム内での読みあわせを実施しています)
なので元々は実は「ビジネスチームがプロダクト開発を理解するための本」として紹介してもらった本なのですが、 読んでみた印象としては、「プロダクト開発に携わる人すべてに一度は読んで欲しい本」と言えるかなと。