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リモートワークのスクラム開発で仕事をうまく切り上げたい! | Pathee Advent Calendar 2021 Day 4

これはPathee Advent Calendarの4日目の記事です

こんにちは。エンジニアリングマネージャの土田です。
すでに連続で書くのが厳しくなってきましたが、頑張っていきたいです。

リモートワークで働きすぎ問題

世間的にはリモートワークにすると「社員がサボるんじゃないか?」を管理職が気にする、といったような記事があったりなかったりしますが、 私は本来管理職が気にすべきことは仕事の成果と社員のメンタルだと思っているので、サボるのであればサボるような仕事の振り方をしている自分に問題あるという認識でいます。

仮に、社員自身としてはサボっていたとしても、期待している成果が出ているのであれば、それはそれで成果を出すためのプロセスだと考えているので、良いと思っています。

ただ、これはエンジニア独特の傾向なのかもしれませんが、リモートワークにするとサボるよりむしろ働きすぎてしまう傾向にある気がします。

実際、ふと見逃していると、23時まで働いているメンバーがいたり、自分自身が夜中までやっていたりするので、これをどうしたものかというのは悩みとしてあります。

オフィス勤務であれば、「帰れ帰れー、コミットは明日しろー」と言って帰したり、「終電だ!やば、帰らなきゃ」と外部要因をトリガーに仕事を切り上げたりできるのですが、 各自の働いている場所がそもそも家なので、やろうと思えば際限なく仕事ができてしまいますよね……

特にスクラム開発では、タスクを上から順々に取っていくので、自分の次やることが明確なのも、仕事を続けやすくなっている要因かと思います。

本来はその効果を期待しているので、皮肉なところです。

そこで、定時での切り上げを周知するのとは別に、ある施策を考えてみました。

「予定作業」レーン

タスクが取りやすいのであれば、取るタスクに制限をかければいいのでは?という発想になり、 「1日でここまでやったら十分満足して終われる」というタスク量を予め設定できるように、スプリントバックログに新しくレーンを追加しました。

それは「予定作業」というレーンになります。

※これはSTORECAST Managerでの例です f:id:pathee:20211204185437p:plain:w600

これをどう利用するかというと、業務開始前、または業務終了直前に、その日の作業目標量となるチケット予めここに移しておき、 作業日はそこのチケットだけに集中するという、ただそれだけです。

最初は、レーンからタスクがなくなれば心置きなく業務終了を迎えられるだろう、という気持ちで始めただけでしたが、 利用してみると

  • 1日の作業量を明確にすることで、その日のペース配分を考えれる
  • 残っていれば、デイリースクラムでの再スケジュールの参考情報にできる
  • 他のメンバーがフォローできる(STORECAST Managerの開発は一人ですが……)

と、結構、副次的効果が期待できました。

スクラム開発で働きすぎて困ってしまう場合は、こういった対策もおすすめです。

「切りが悪いから作業したい」問題

自主的に作業してしまう場合に、よく理由として「切りが悪いので、一区切りつくまで作業したい」というのがあると思います。 これに関しては「したい」と言っているように、いつの間にか労働が本人の希望になってしまっている状態です(無自覚だとしても)。

組織としては良い面もあるのですが、私は結果人材が消耗しては本末転倒だと思うので、 なるべくこの理由を許容しないよう振る舞っています。

どうしても、どーしてもやりたい!という場合は私もわかるので、厳しく縛るわけではありませんが。

切りがつくとどうなる?

切りがつくまで作業できるとスッキリしますよね。わかります。

ただ、実はこの状態こそ、本人にとっても組織にとってももったいない状態だと思っています。

なぜなら、本当に切りがついてしまうと、そのことについて考えることがなくなってしまう(考えにくくなってしまう)からです。

切りがつかなかったからこそ、何気ない移動時間や入力時間のときもぼんやりと 考えさせることができ、本当の意味でメンバーをフル活用できます! 無意識的に考えたりするので、結果として深く問題に向き合うことができ、翌日作業に入ると、すんなり終わったりして、「あ、俺すごい」といったような自己肯定感を得ることができたりします。

それに長時間労働しても切りがつくとは限りませんしね。

そもそもメンバーが言うところの切りは、マネージャ側が求めている単位の切り(リリース予定など)ではないので、マネージャは

「その切りは誰が求めているんですか?」「その切りが達成されて、すぐさまどんな効果がありますか?」

と憎まれ役を買ってみたりすると、メンバーは自分の常識を疑うきっかけにもなり、より柔軟に業務に望めるようになるかもしれません。

極端に言うなら、

「あなたが自分のためにやりたくてやっていることなので、それは業務ではないですよ(なので今日はもう切り上げてくださいね)」

とメンバーに認識させるイメージです。

ただ、これも不都合な真実ですが、例えそう言われたとしても、「それでもやる」と言って作業する時間も、 往々にして自身の成長に必要な時間だったりします。

なのでマネージャとしてはこういった状況をうまく見極めて、メンバーと組織にとってプラスになるよう、調整していきたいと思う次第です。